二糖類
二糖類。それは、単糖と単糖の合体!
αーグルコース + α-グルコース → マルトース(麦芽糖)
マルトースは、別名麦芽糖とも呼ばれ麦由来の糖ですね。マルトース名の中にある「molt」という語はビール好きなら知っている「モルト」という語源。麦を主成分とするビールは、モルトビールなど名前を聞いたことがある人もいることでしょう。
このマルトースは、αーグルコース同士がグリコシド結合によって結びついた「二糖」の一つ。
ヘミアセタール構造をもつため、還元性を示します。このように還元性を示す二糖を還元糖と呼びます。
マルトースを分解する酵素は、「マルターゼ」で、名前が似ているため覚えやすいかと思います。
そして忘れちゃいけない「スクロース」
砂糖の主成分であるスクロースは、別名「ショ糖」とも呼ばれています。
αーグルコースとフルクトースがグリコシド結合によって結びついた形をしていますが、こちらはヘミアセタール構造が脱水された状態となるため、還元性を示しません。そのためショ糖は「非還元糖」に属します。
ちなみにショ糖の分解酵素名は「インベルターゼ」。ムムム、覚えにくい。。
このインベルターゼは、別名「スクラーゼ」とも呼ぶのでこちらで覚えておいても良いでしょう。
また「ラクトース」という二糖もあります。
別名、「乳糖」ともよばれコンビニ等でアイスのパッケージをみると「ラクトアイス」と書かれてあることがあります。その「ラクト」というのが乳糖の意味。ラクトースは哺乳類の母乳に含まれています。
ちなみにラクトースは、βーグルコースとガラクトースがグリコシド結合によって結びついた二糖で、ヘミアセタール構造をもつため還元糖に属します。なお、ラクトースの分解酵素名は「ラクターゼ」。これも名前が似ているため覚えやすいと思います。
単糖類
現在、高3化学講座では「糖類」分野を学習中。
何が面倒かって、αーグルコース、βーグルコース、フルクトース、ガラクトースの構造式が似たり寄ったりで覚えるのが面倒。OHの位置によってα型かβ型か違っていることに注意が必要ですが、これがあやふやだと問題が解けないことがあります。
ちなみにグルコースは別名「ブドウ糖」とも呼ばれています。その名の通り「ぶどう」由来の糖で、広く生物の体内に存在し、エネルギー源となっています。デンプンやセルロースといった糖類の構成成分で、デンプンを加水分解することで得ることができます。
グルコースは、水に溶かすとエーテル結合機部分が切れ、環状構造から鎖状構造に変わります。その際、「ーCHO」のアルデヒド基(ホルミル基)が生じるため、グルコースは還元性を示します。そのため銀鏡反応やフェーリング反応を示すことになります。
単糖類の中には、他に「フルクトース(果糖)」もあります。こちらは六員環構造になりますが、水に溶けると一部が「-CO」ケトン基をもつ五員環の鎖状構造に変化していきます。このフルクトースは、六員環構造と五員環構造の2種類を覚える必要があります。
そして、「ガラクトース」
βーグルコースに非常に似た構造のため、よく勘違いしてしまう受験生が多いのがこのガラクトース。構造式中に、グルコースと同じくヘアセタール構造をもつため、水溶液中でアルデヒド基が生じます。